こんにちは。クリモトです。
今日は僕の大好きな素材であるイタリアンレザー 【プエブロ】についての、ちょっと突っ込んだ話です。
そもそも、プエブロってなに?って方もいらっしゃると思いますので、その辺からご紹介していけたら、と。
プエブロと他の革は何が違うの?
まず、世の中に多く流通している革素材とは、製法が大きく異なります。
通常、革は生皮の状態から、薬品加工後にドラムに放り込んでのクロム鞣しが主流ですが、プエブロをはじめとするイタリアンレザー は「バケッタ製法」と呼ばれる、古来より伝わる伝統的な技法を用いて鞣されています。
しかし、その製法は多くの時間と手間が必要とされ、大量生産、大量消費という時代の流れによって現代では衰退し、扱うタンナーも次々と減少していきました。
しかし、その流れに逆らうようにして世にバケッタ製法を復活させたのが、かの有名なバダラッシィ・カルロ社という老舗タンナー。
バケッタ製法では先述した通り多くの時間がかかりますが、ゆっくり加工された革には芯までオイルが浸透しています。時間とともに内包されたそのポテンシャルによって、使用ごとに素晴らしい経年変化を味わうことができるのです。
また大変手間のかかる鞣し工程のため生産量にも限界があり、それゆえに希少価値も高いのです。
ヨーロッパならではの豊かな色彩も大きな特徴と言えるでしょう。
プエブロの表情と経年変化について
そんなバケッタ製法で鞣されたプエブロ最大の特徴はその銀面(革の表側の面のことを言います)の表情です。
最近では同じような加工をしているブランド革も増えてきましたが、おそらくプエブロがその元祖と言えると思います。
【プエブロ】いう名前は、『プエブロインディアン』が由来しています。どことなく素朴で、温かみのあるある表情から名付けられたのでしょう。
元々はスムースな質感のある革の銀面を、金属ブラシを使って荒らしているため、このような表情になるのですが、実はこれも職人の手作業によってできる技なのです。
均等に、規則正しく弧を描いたその銀面は、他にはない独特な味となって革製品にアクセントを与えてくれます。
使用していくごとにその独特な起毛が寝ていくのですが、今度は革に浸透されたオイルの表情が全面に現れます。
長く使用することで、グレージング(磨き加工)を施されたような艶感を持ち、光沢のある堅牢な銀面へと変質していきます。
この段階になると、オイルでコーティングされたように、多少の水分であれば弾いてしまうほどの質感を得ます。
『同じ時間を生きる』という言葉に込めた意味
cobalt leather worksでは「時」をブランドの重要なファクターとして考えています。
オーナーと『同じ時を生きる』ということ。つまり他にはない、唯一無二の時間を生きるということ。持ち主の暮らしや、使い方によってそれぞれの『経年』があり、それによる『変化』が生まれるのです。
すこしだけ、私物ですが使用してきた革小物をご紹介します。
よく外出する人、歩くのが好きな人、車が好きな人、あまり部屋から出ない人、カバンの中に入れて置く人、ポケットに入れる人、スーツを着る人、運動をする人、、、その様はまさに『千変万化』というにふさわしいと思います。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
革の経年変化、というとヌメ革の生成色がだんだんと飴色に変わっていくのを想像された方も多かったと思います。
実際、僕もそのうちの一人で、こんな経年変化のしかたがあるなんて!と感動したことを今でも覚えています。
この記事を読んで、少しでもプエブロの持つ魅力が伝わったなら幸いです。
それぞれの色についての変化のしかたも、その内まとめようと考えてますので
その際はまたお付き合いくださいませ!
ではでは!
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