こんにちは、cobalt leather works のクリモトです。
僕、東京の外れに住んでるのですが、9月に入ってからめちゃんこ涼しいですね。
うっかり風邪をひかないようにお気をつけて。
さてさて、タイトル、ちょっと強気に出たとこありますが
キャッシュレス化が進む昨今、お財布や身の回り品がコンパクトになっていく中で
僕は少し思うところがあるので、今日はそのお話を・・・。
機能と見た目のジレンマ
初っ端から極端な話ですが、モノづくり全般において
機能にパラメーター値を全振りしたようなモノは往々にして不恰好です(個人的な偏見もあります)。
そしてその逆もまた然り。見た目重視で使いづらい!なんていうこともしばしば。
ただ、実際のところ革という素材において、本質的にどちらの属性か?と考えると、「見た目重視」寄りなんですよね。
というか、極論、僕はそれで良いと思っています。
便利でコスパ最強!を求めるなら革である必要はなく、化学繊維で薄く機能的で強度のあるものを選ぶでしょう。
ただ、あえてそこで「革」のものを選ぶ理由は何かと問われたら
「持っていてカッコいい!(かわいい!)」「気分が上がる!」「使っていて楽しい!」からだと思います。
素材の持つ本来の魅力や、加工難度の高いいわゆる「縛り」のなかから生まれた独自性のあるデザイン。
それらが絶妙にマッチしているからこそ、今も革製品が必要とされ、世に生まれ続ける理由なのではないでしょうか?
使いやすさよりも、使い心地を
繰り返しになりますが、革を使ったモノづくりには、多少なりとも加工する上で制限がかかります。
その上で、生まれるベネフィットは「便利さ」よりも「心地よさ」だと、僕は考えます。
手のひらに収まった感じ。ファスナーを開いてからの手の動き。などなど。
実際に手を動かして使ってみた感覚を磨き上げることが「心地よさ」に繋がるのです。
命の付加価値とは・・・|革は「とくべつ」な素材
このブログを読んでいただいている方なら共感してくれる方も多いと思うのですが
革って、言葉では形容しがたい、人を惹きつける「不思議な力」があります。
それは何故かって考えた時、やはりそこに「命」があったからだと、僕は考えています。
大なり小なり、人は他の生き物の命を奪いながら生きています。
それは変えがたい事実。
そしてその命を無駄にするまい、という意識から生まれたのが革という素材。
昨今では「サステナブル」だとか、「ヴィーガンレザー」だとか、そういった話も耳に入らなくはないですが
古代よりその考えは革という素材に詰まっているのです。
(だからこそ僕ら職人はあーだこーだ四苦八苦しながらデザインを考えるわけですが・・・)
命の付加価値
それは生きていたからこそ、感じる素材の違い。
そこにタンニン鞣しによる経年変化が相まって、唯一無二の存在へと育つ。
それこそが革小物の最大の魅力であり、「不思議な力」の根幹だと思うのです。
「手」に持つことで感じる「とくべつ」な存在
タイトルに「変わることのない革製品」と書いた理由。これには僕の願望も、少し入ってるのですが・・・
そんな「命」のこもった素材を使って作った革製品だからこそ、「とくべつ」な存在感を感じて欲しい、と常々思っています。
手に取った瞬間の、自然と馴染む不思議な存在。
あたかも「僕はお財布!」と自らが主張しているかのような、そんな感じですね。
僕が革製品を作る上で大切にしているポイントの一つでもあります。
「キャッシュレス化が進めばお財布はなくなる」なんて言われますが
そんな中でも、「使いたい」と思っていただける、そんなモノづくりをしていきたいのです。
変わるものと、変わらないもの
さて、ここまで書いておいてアレですが、人のライフスタイルは唐突に変化します。
それは時代の流れだったり、人間関係だったり、職場の変化、いろんな要素があります。
ただ、そんな中でも変わらないものは、やはり心の持ちようだと思います。
慌ただしくも流れ続ける世界の中で
ゆっくりと経年変化を続けながら、ともに寄り添ってくれる革製品は、ある意味で「変わらない」相棒。
「変わらない」というよりは、「相変わらず」といった表現が似合うかもしれませんね。
「相変わらずだな、君は」と。
そうやって革は、ゆっくりだけれども変わらない時間の流れを思い出させてくれます。
だからこそ普遍的な存在でありたい。そういったものを作っていきたい。
そう願いながら、今日も黙々と革と向き合い、製作を続けるのです。
さてさて、本日はこの辺でお開きに・・・
オンラインストア、年中無休でございます〜▼
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