
こんにちは、cobalt leather works のクリモトです。
2月も終盤戦。
まだまだ寒い日もありますが、時折感じる暖かさに春の気配がちらほらと・・・
さてさて、本日のブログは今更感もあるのですが
最近当店でもバッグの製作などで使うことが多くなってきた革、「ミネルバボックス」についてのお話。
イタリアンレザーといえば真っ先に出てくるであろう銘革。
実は僕が革の魅力に取り憑かれるきっかけとなったのもこの革だったりします。

目次
ミネルバボックスってどんな革?
実はイタリアンレザーの中でも1、2を争うと言っても過言ではないくらいに有名な革ですね。
かく言う僕も、サラリーマン時代に初めて経年変化の面白さを知ったのがこの「ミネルバボックス」。
小売店の店頭で働いていた当時、店頭で革小物を扱うこともあり、
サンプルと称してクリームを塗ったりブラッシングしたりしていたのですが
お客さまより「このサンプルを売ってほしい!」と言われるほど、エイジングが美しい革です。
革の特性

タンナー:バダラッシ・カルロ社
鞣し:ベジタブルタンニン鞣し(バケッタ製法)
加工:シュリンク加工(シボ付け)
コバルトレザーワークスで扱いのある色はダークブラウン(タバコ)とブラック。
(もしかしたら今後増えるかもです)
ミネルバボックスは当店でお馴染みのプエブロと同じタンナー(工場)で生産されているベジタブルタンニン鞣しの皮革です。
シュリンク加工によって生み出された細かいシボと、柔軟な質感の中に詰まった繊維のしなやかな強さが特徴的。
シボのある革なのでハリを出したい部分には使用できませんが、クッタリとした革ならではの吸い付くような触り心地はなんともいえません。
その他、当店で扱いのある革についてはこちらも併せてどうぞ▼
経年変化の様子
ベジタブルタンニン鞣しの革なのでもちろん経年変化もピカイチ。
特に柔らかい革なので、内縫いにした部分や、角になった部分などに「アタリ」が出やすく
色濃く、透明感のある艶がでてくる、美しいエイジングが楽しめます。

ミネルバボックス タバコ(ダークブラウン)の変化の様子。
使用期間はおよそ1年ほどですが、マットな質感から艶のある表情へと育ちました。

また、ミネルバボックスはシボの感覚もランダムで入っているため
使用した部位によって個性がでやすいのも特徴的ですね。
「ボックス」の意味
実はいろんな革に「ボックス」と銘打たれたものがあるのをご存知でしょうか?
当店で言うと少し前のスポットレザー・リネアヴァスカ「ボックス」。

語源には諸説あるのですが、靴用のボックスレザーとは異なり
シュリンク加工によって凹凸のある質感に仕上げた革の総称として、「◯◯ボックス」と呼ばれています。
そしてボックスに対をなすのが「リスシオ」。
リスシオはシンプルにイタリア語で「滑らかな」と言う意味で、
その言葉通りにスムースな銀面と表情が楽しめる革です。
ミネルバリスシオをシュリンク加工してシボ感を出したのがミネルバボックス、と言うわけですね。
実はマレンマボックスとか、プエブロボックスとかもあったりしますが
これはまた別のお話・・・
ミネルバボックスを使用したレザーアイテム
クロスボディバッグ tasca(タスカ)

贅沢なフルレザーバッグ。
本体にまるっとミネルバボックスを使用しており、前述した革の特徴を活かすべく
内縫いと外縫いを融合した構成で、アタリによる経年変化を存分に楽しむことのできるモデルです。

クッタリした表情を出しつつ、革の持つ本来のポテンシャルと高級感を表現したい・・・!
と試行錯誤したので、個人的にも思い入れの強いバッグです。
ショルダーバッグ vagare(ヴァガーレ)

こちらは底マチパーツやショルダーベルトなどにミネルバボックスを使用しています。
特に肩当てや、切り返した底面などで驚くほどの経年変化が楽しめます。

特に内縫いを返した部分はなんともいえない表情ですね・・・(ピンポイント)
カスタムオーダーをするなら・・・?
シュリンク加工をしているため、革のハリがないのでお財布の内装などでは不向きですが
外装でカスタムオーダーすることも可能です。(部分できにできないアイテムもあるので要相談)
例えばですが
ミネルバボックスでリングプランナーbyblos(ビブロス)を製作するとこんな感じに・・・

普段のプエブロとは異なり
独特のシボと、もっちりした表情がなんともかわいいですね・・・!

ではでは、本日はこの辺で・・・
今月も残りわずか、頑張っていきましょー!
▼ミネルバボックスでカスタムをご希望の方はこちらからお問合せください▼
コメントを投稿するにはログインしてください。