おはようございます。cobalt lether works です。
朝から藪から棒ですが・・・
磨くと光るものって、どうしてこんなに惹かれるのでしょうか。
泥団子磨き、靴磨き、コバ磨き、、、人はそれらを磨き沼と呼ぶのです。(呼ばない)
さ、本日はcobalt leather worksの定番カードケース、Kasane(カサネ)ができるまでをご紹介します。
あ、こちらの作品をご存じない方はギャラリーページのリンクを貼っておきますのでご覧いただけますと幸いです。
ではでは、本日のお題目はこちらでございます。
15mm厚、縫ってみた。
今回は裁断、漉き、貼り合わせなどの工程はすっ飛ばして縫製からご紹介します。
厚みが15mm以上になるので少しコツや技術が必要ですが、それは企業秘密として・・・
縫い合せる様はなかなかに壮絶です。
縫う距離自体は短いんですけど、なにぶん厚みが半端ないので半分縫うのにも一尋分の長さが必要です。
あ、一尋というのは両腕をいっぱい広げた時の長さですね。
この長さ以上に糸を取ってしまうと縫いの効率が落ちるので構造をうまく考えて糸継できるように設計したりしますが、それはまた別のお話。。
さて、縫いあがりましたら今度は鉋がけです。
豆鉋先生、出番です…!
こちらの作品は某黒い抜き型屋さんで型を作っていただいているので裁断は抜くだけです。
ただ、抜き型を使用すると刃の付近に圧力がかかるため、角が丸くなります。
すると今回のように重ね合わせる形状では段々のようになってしまうのですね。
そのガタ付きを綺麗にするのがこの豆鉋先生です。
豆鉋の使い方は、最初すごく難しく感じるかもしれませんが
それはしっかりと道具を仕立てられていないからだと思います。(実際僕もそうでした)
豆鉋のポイントは大きく二つ。
・刃をしっかり研ぐ
・刃の出方を調整する
ここさえしっかり押さえておけばこんなに頼もしい道具はありません。
また別途記事にしてみても面白いかもしれませんね。
磨く前にここまでしっかりと整えられればだいたい失敗しません。
逆にここまでやらないとまず失敗します。
「コバ磨きはな、磨く前からすでに始まっていたんだよ・・・!!」
「な、なんだってー(棒)」
・・・ハイ、次。
現代科学の超兵器、ハンドリューター。
あれだけ鉋で揃えておいて駄目押しの均し作業です。
こうやって均していくとですね、すこーしだけ、窪みがあったりしますのでそれがわかりやすくなります。
こういった部分はやすりがけで削っていてもいいことは何一つとしてないので、もう一度、鉋がけして真っ平らな状態を作り上げます。
コバ磨きの必需品、謎の液体?
はい、お分かりの方も大勢いらっしゃると思いますが、これただの水です。
えぇ、水です。
繊維を荒らした後、そのままトコノールなどのノリ状の物で磨いてもダメではないのですが・・・個人的にはまず水で磨くのをお勧めします。
理由はコバ磨きの記事でも読めますのでこちらも貼っときますね。
あ、ここでのコバ磨きはタンニン鞣しの革限定ですので、あしからず。
磨き方は十人十色なので、それを模索するのも楽しいですよね。
15mm厚、磨いてみた。
まずはこんなもんでしょうか。。
まだまだ反射してませんし、ちょっと荒いですよね。もう少し磨きます。。
ここからさらに…
耐水ペーパー(#400)で磨きをかけ、布海苔などのコーティング系コバ材で磨き、歪みがないかを確認したら、もう一回耐水ペーパー(#1000)で磨きをかけて、もう一度コバ処理材を薄く縫って磨き、また少し耐水ペーパーで磨いて、ミツロウを流し込んで、また磨いて、パラフィンワックスで上澄みを整えて、仕上げ磨きをすると・・・
磨きにかける時間と縫ってる時間がだいたい同じくらいなんですよね・・・これ。
それだけ手間暇かけて製作しています。あ、あと、時々指を負傷します。
あとがき
いかがでしたでしょうか?
今回は普段はあまり見せていない製作の裏側のご紹介でした。
革小物の製造は小さいながらもなかなか肉体派な仕事だと思ってます。
もっと体力をつけねば・・・。
ではでは。本日はこの辺で・・・。良い1日を!
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